新たな課題に対応した人権教育研究推進校の取組

令和4年度

1 研究当初の児童の状況と課題

 本校では重点指導目標の一つに「人権尊重の精神の涵養と『豊かな心』の育成」を掲げ、人権教育に取り組んでいる。これまで、子どもの良さやがんばりを大事にする学級指導や全校的な取組で自尊感情や自己肯定感を育んできた。また、毎月の児童向けアンケートにより、いじめの早期発見、早期対応に取り組んでいる。さらに、道徳科を中心に道徳性の涵養に努めてきた。

 研究テーマに人権教育を掲げて2年目。児童は少しずつ自尊感情を育み、友だちのよいところを見つけることができるようになってきた。しかし、未だうまくコミュニケーションがとれずに友だちを傷つける言動をするといった事例が見られる。身近な差別を見ぬき、自分事として捉え、許さない心の育成が十分にできているとは言いがたい。

 こうした実態を踏まえ、体験活動や自己理解の学習に取り組み、より一層児童の自尊感情や自己肯定感を高めること、教材の効果的な活用法を考えて授業に取り入れ、人権尊重の生活スタイルを身に付けさせることが必要である。

2 研究テーマ

  「明日もまた行きたいと思える学校づくり

   ~差別に気付き、解消に取り組める児童の育成をめざして~」

3 ねらい

 ・一人ひとりの自尊感情を高め、自己肯定感をもつことができる子どもに育てる。

 ・差別を見ぬき、差別しない、許さない心の育成や人権尊重の生活スタイルを身に付けさせる。

 ・共に生きていく平和で住みよい社会づくりに貢献する子どもに育てる。

4 具体的な取組

(1)研究の概要(様式1)

(2)各領域における取組

ア 教科における取組取組みの概要 
指導案 
児童の感想など 
イ 道徳における取組取組の概要
指導案 
児童の感想など 
ウ 特別活動における取組取組の概要 
指導案 
児童の感想など 
エ 総合的な学習の時間における取組取組の概要 
指導案 
児童の感想など 

5 成果と課題

 (1) 成果

 ・ 学校全体で取り組んだ「きら星みつけ」を基盤として本年度は各学級でも友だちの良さを再認識する活動へと広がりを見せた。その結果、友だちが誉められたり賞状を授与されたりした時には自然と拍手がわき上がったり、発表がうまくいかずに止まってしまった時には励ましの言葉をかけたりと、友だちを大切にしようとする行動が見られるようになった。

 ・ 校長を講師とする同和教育を研修する機会をもち、差別解消に向けた学習の意義を学ぶことができた。更に、6年生では「ほほえみ」から「半日村」を題材とした道徳の授業を行い、教員全員で研修を深めることができた。

 ・ 前述の「半日村」のように「ほほえみ」や「いじめ未然防止プログラム」などから選定した題材が児童の現状に合っていた。いじめを題材とした授業を行った後には、児童から担任に「あの出来事はおかしいと思うんだけど・・・」と差別に気付き、行動しようとする事象が特に低・中学年で見られた。児童自身が自分で解決できなくても、教員に相談して解決しようとする行動は、本校が目指す子ども像により近いものと言える。

 ・ 研究授業に向けて模擬授業を行い、一つひとつの授業についてより深く考察することができた。特に発問については、どう問えば児童がより人権について深く考えることができるかを教員全員で意見を出し合い、授業後も再び考察することで、人権についての考え方や授業スキルを向上させることができた。題材についても自作教材を使用するなど、より児童の実態に即した授業内容を考えて実践することができた。

 ・ 各学年の人権教育推進カリキュラムを見直し、更新することができた。各教科とのつながりを考えながら作成することで、新たな課題に対応したカリキュラムになっているかの再確認ができ、実践につなげることができた。

 ・ 本年度、特に成果が見られたこととして、児童に対する教員の人権意識の向上が挙げられる。年間を通して「人権の引き出し」と称し、児童に対する自分の考え方や行動を見直す機会をもった。そして、自分の目標を各自で作成し、定期的に見直したり話し合ったりしてきた。例えば「児童と一緒に遊ぶ」ことを目標の一つとした教員は日々一緒に遊ぶことで児童との距離を縮め、児童のよさを再発見したり、相談相手になったりすることができた。「トイレの点検をして、掃除を頑張る」ことを目標の一つとした教員は、その環境の改善点に気付き、スリッパの乱れを整えたりすることで普段は見えにくい児童の学校生活を知ることができた。人権教育を推し進める上で、授業を核とした研修に加え、児童に対する自分自身の人権意識を見直すことで、児童の学校生活全体を豊かな人権感覚溢れるものとする環境づくりに大きく寄与することができた。

(2) 課題

 ・ 児童が小学校を卒業し、成人し、様々な事象に出会ったとき、正しい人権感覚をもって行動できるかと想像すると、まだ不十分な点は少なくない。例えば、本校には今、外国にルーツをもつ児童は在籍していない。より広く深く人権について考えることができるように今一度「新たな人権課題」について見直し、学習する機会を多くもてるように人権教育カリキュラムを見直していきたい。

 ・ 上記の内容と関連して、特別の教科道徳のカリキュラムも見直し、人権教育との関連を考えることで児童の人権に対する知識や考え方がより深まるのではないかと考える。本年度の研修を踏まえて「ほほえみ」や自作教材の効果的な活用を図る必要がある。

 ・ 昨年度に引き続き、感染症拡大により、PTAをはじめ、外部団体との連携が難しく、学習の幅を広げることができなかった。様々な人との交流が児童の人権意識をより豊かなものにすると考えると、直接交流することが難しければ、ICTを活用するなどして今後更に児童の学習の機会を増やしていきたい。

 ・ SNSの活用については、道徳や特別活動の授業で各学年に応じた学習をすることができた。しかし、前述の感染症拡大により外部講師を招いての学習を実施することができなくなった。そこで、PTAと連携して各家庭でSNSについての学習動画をオンラインで視聴してもらうよう呼びかけた。アンケートによるとパスワードの大切さやサイバー犯罪についてよく分かった、という意見が多く見られた。今後も情報モラルやSNSについての学習は家庭やPTAと連携して進めることがより効果的だと考えられる。

令和3年度

1 研究当初の児童の状況と課題
 本校では重点指導目標の一つに「人権尊重の精神を培い『豊かな心』を育成する」を掲げ、人権教育に取り組んでいる。これまで、子どもの良さやがんばりを大事にする学級指導や全校的な取組で自尊感情や自己肯定感を育んできた。また、毎月の児童向けアンケートにより、いじめの早期発見、早期対応に取り組んでいる。さらに、道徳科を中心に道徳性の涵養に努めてきた。
 本校の児童は、明るく活動的で、チャレンジ精神にあふれている。一方、自尊感情の低さやコミュニケーション力の不足により、小さないざこざやいじめにつながる心ない言動が見られる。
 こうした実態を踏まえ、温かい人間関係の構築と差別やいじめを許さない風土作りが一層必要である。また、人権教育の取組が十分浸透していない実態もあるので、成果と課題を明らかにしさらに充実させていくことが必要である。
  

2 研究テーマ
「人権意識に根ざした生活スタイルを子どもたちの力に」
~「気づく」「調べる」「考える」「行動する」力の育成~
 ※人権意識に根ざした生活スタイル=「気づく」「調べる」「考える」「行動する」
「気づく」あれ、おかしいな、それって本当?など課題に目を向ける
「調べる」聞く、調べる、調査するなど課題について調べる
「考える」正しい判断は何か、どう対応するかなど課題について考える
「行動する」相談する、表現する、仲間をさがすなど課題解決に向けて行動する

3 ねらい

一人ひとりの自尊感情を高め、自己肯定感をもつことができる子どもに育てる。
差別を見ぬき、差別しない、許さない心の育成や人権尊重の生活スタイルを身に付けさせる。

4 具体的な取組

(1)研究の概要(様式1)


(2)各領域における取組
ア 教科における取組
・取組の概要(様式2)


・指導案(又は要項など)


・児童の感想


イ 道徳における取組
・取組の概要(様式2


・指導案(又は要項など


・児童の感想


ウ 特別活動における取組
・取組の概要(様式2)


・指導案(又は要項など


・児童の感想


エ 総合的な学習の時間における取組
・取組の概要(様式2


・指導案(又は要項など


・児童の感想

5 成果と課題
(1)成果
・学校で取り組んだ「きら星みつけ」が日常的なものとなって生活に溶け込んでいる。(アンケートから全校生の約90%の児童が取り組み、全体の約94%の児童が友だちからほめてもらったことがあることが分かっている。)
・「きら星みつけ」の取組を学級にも積極的に取り入れ、終わりの会に「ありがとう見つけ」等の時間を設けるなど、日常的に自他の大切さを意識させる機会をたくさん持てた。各学級では、半数以上の児童が、友だちのいいところを見つけて発表しようとしており、普段、発表に躊躇する児童や発表が苦手な児童も、この時間は積極的に発言して伝えようとしている。
・児童の実態に応じた人権教育推進カリキュラムを作成し、推進教員をはじめ、各担任もいじめに関する授業を行ったため、いじめに対する当事者意識が児童の中に芽生えた。
・児童の実態を踏まえて、「ほほえみ」や「いじめ未然防止プログラム」等から教材を選定してカリキュラムを編成したことにより、指導内容が焦点化され、指導の意図が明確になった。その結果、児童は日々の生活を振り返り、より深く考えて学習できるようになった。
・校内研修の中で教員同士の模擬授業を行い、新たな教材を開発することができた。そして、教材開発の過程における協議などが、来年度のカリキュラムづくりに役に立った。
・1人1台タブレットが導入され、本年度より本格的に活用方法を模索した。その中で、6年生が総合的な学習の時間で情報モラルについて学び、「広谷小学校タブレット活用のルール」を作成した。そして、全校生に広める活動を行った。くさん持てた。

(2)課題
・授業だけで終わるのではなく、実生活の中で「行動できる」ようにしていくために、授業をきっかけにして、日々の生活の中でも人権意識を高められるように促していきたい。
・本年度は推進委員が主導でカリキュラム作りを行ったが、今後は、全教職員で「ほほえみ」等の資料の効果的な活用を検討するとともに、校内研修等をとおして教職員の人権意識を高めていきたい。
・今後、新たな人権課題だけでなく、同和教育についても学ぶ研修を行っていく必要がある。研修では、同和問題を正しく理解し、差別解消に向けた学習の意義やスキルを教職員間で継承できるように全職員で研鑽していきたい。
・来年度は学級毎にSNSとのつきあい方について学び、活用のルールを作るなど、PTAとも連携して情報モラルについて考えるようにしていきたい。
・本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大によって、PTAをはじめ、外部団体と連携する機会を作ることが難しかった。来年度は、情勢を考慮しつつ、関係機関と連携できるように工夫を講じたい。

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